ゆとりローンとは?仕組みや返済に困った時の対処法

かつて国内の不動産需要における「マイホーム」の存在は非常に大きなウエイトを占めていました。

社会人になればマイホームを取得するのが普通という意識が浸透していた時代があり、これは今でも基本的には変わらないとは思いますが、その意識がより強い時代があったのです。当時、国内の経済が右肩上がりで国民所得も上がり続けていた時代、これを前提として設計された住宅ローン商品がありました。

それが「ゆとりローン」というもので、これを利用した債務者が今になって返済に苦しむケースが増えています。

この記事ではゆとりローンの問題点や返済に困った時の対処法について見ていきます。

 

 

ゆとりローンとは?

ゆとりローンとは、現在の住宅金融支援機構がまだ「住宅金融公庫」を名乗っていた時代に、平成4年頃から販売していた住宅ローン商品です。現在はすでに販売は停止されていますが、この商品の特徴は『ローンの返済金額を債務者の収入予想と連動させていること』です。

給与所得者は勤続年数が伸びるほど収入が増えるのが基本ですので、収入が低い若いうちは返済額を少なめにし、収入が上がってくる年代になるとローンの返済額も上がる仕組みです。

具体的にはローンの利用を開始して5年から10年程度の間は返済額を低く抑え、11年目以降に返済額が上昇していきます。

住宅ローンの負担を考えてマイホームの購入を躊躇する若い世代にも住宅購入を可能にする手段として、ゆとりローンは大きな希望を与えてくれました。

ただ、これが今になって大きな問題となっていて、ローンの支払に困る人が増えているのです。

 

 

ゆとりローンの問題点

ゆとりローン商品が開発された当時は、まだ日本経済は右肩上がりで国民は未来に希望を持てていた時代です。

これを背景に設計されたゆとりローンは当時の雇用情勢を基に組まれているので、この前提が崩れてしまうと有効に機能しません。

当時は予想もしていなかったでしょうが、その後の不況の訪れとともにそれまでの雇用環境は一変します。

実力主義の元で定期昇給の仕組みは崩れ、ボーナスもカット、さらには終身雇用もままならなくなります。

安定した収入が定年まで続くことを前提に設計されたゆとりローンは、時代の変化についていくことができなかったのです。

本来は昇給が見込まれていたものが実際にはそれが叶わず、ローンの返済額だけが上がっていくことになり、債務者は首が回らなくなります。

そうしてゆとりローンの返済に苦しむ人が続出する事態となったのです。

 

 

ゆとりローンはオーバーローンになりやすい

ゆとりローンのもう一つの問題として、その設計上から売却を検討する際にオーバーローンになりやすいことも特徴に挙げられます。

ゆとりローンでは当初返済額が少なくなるように設定されますが、その間は金利にかかる返済が主となるため、元本の返済が進みません。

元金の返済が進まないことから、いざ売却しようとしてもオーバーローンになりやすいため、売りたくても売れないということになってしまいます。

返済に困っているのに売却することもできず、放っておくと、最終的に自宅は競売にかけられてしまいます。

競売では市場価格より大幅に低い価格まで下がってしまうこともあり、ローンの残債を少ししか返せず、多額のローンが残ったまま家を放り出されるということになってしまいます。

多額のローンを返すのが不可能であれば自己破産も視野に入れて検討しなければなりません。

ある意味ゆとりローンという商品に人生を翻弄されてしまった方は、自宅を競売で取り上げられる前に対応策を考えなくてはなりません。

(関連記事)住宅ローン問題では「オーバーローン」と「アンダーローン」の見極めが重要

 

 

返済に困ったときは任意売却を考えよう!

住宅ローンの返済が難しくなった場合でも、任意売却を行うことで競売を避け、有利に売却することができる可能性があります。

 

住宅ローンが残る不動産は抵当権が付いたままですので、その状態では売りに出しても買い手が付かず売却は成功しません。

そこで、債権者と交渉し特別に抵当権を外してもらい、市場に売りに出して買い手を募ります。

 

競売と違い一般市場で売ることができますから、ほぼ市場価格と同じ値段で売ることができます。

競売よりも高い値段で売れるので、それだけ多くのローンを返すことができ、その後の人生の立て直しがしやすくなります。

残ったローン残債も分割払いで返していくことができるので、一括で返せるあてがなくても計画立てて返済を続けていくことができます。

そうすれば自己破産をしなくても済み、これに伴う多くのデメリットも避けられます。

 

ゆとりローンで支払いが苦しくなっても諦めずに、ぜひ任意売却を検討してください。

(関連記事)任意売却とは?基本的な仕組みやメリットについて

 

 

まとめ

この記事ではゆとりローンの仕組みや返済に困った時の対処法について見てきました。

このゆとりローンの設計上、時代の変化に対応することができないため、今になって返済に苦しむ人が出てきています。

ゆとりローン問題は放置しても自然に解決することはなく、事態は確実に悪化します。

当センターは任意売却に特に力を入れており、多くの住宅ローン問題を解決してきた実績がございます。

ゆとりローンで返済に問題が生じた場合は、ぜひ当センターにお早めにご相談ください。