「年金だけで老後を豊かに暮らすことには無理がある」という指摘が多く出ているのは皆さんご存じのとおりです。
さらに、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人の中には、定年後も住宅ローンの返済が続くケースも多く、年金生活者の負担をさらに押し上げます。この記事では、定年による退職後の住宅ローン問題を取り上げていますので、ぜひ参考にしてください!
本来、住宅ローンのような負担の大きい契約はローン利用者の雇用が続く範囲内で完済できるようにしたいところですが、民間の契約ですのでそのような制約がありません。
多くの住宅ローンは最高で80歳までを完済年齢に設定できるので、契約時にローン利用者が了承すればそうした契約もできてしまいます。
それでも、多くの住宅ローン利用者は定年時に完済できるようにしたいとの思いから、ある程度の貯蓄を想定してこれを原資に繰り上げ返済を考えたり、退職金をあてにして返済を考えるケースが多いと思います。
しかし、雇用環境は数年で変わってしまうことも多く、予定していた退職金の額がかなり減ってしまったり、家庭内の出費がかさみ想定したような貯蓄ができなかったりで、予定していたタイミングで住宅ローンの完済が実現できないこともあります。
定年退職後に住宅ローンが残る不動産を保有し、年金や貯蓄で返済を続けていくことにはリスクがあります。
年金は比較的安定していますが物価情勢によっては減額となることもありますし、定年退職後は加齢の影響で医療費や介護費用が増えていく傾向にあります。
出費が想像以上に膨らめば住宅ローンの返済に支障をきたす可能性もあり、心理的にも落ち着かないでしょう。
蓄えが豊富で十分安全圏にあることが確実な場合は別として、少しでも心配を感じるようであれば早めに対応を考えるようにしましょう。
余裕があるうちに繰り上げ返済をする、アンダーローンであれば売却して身の丈に合った賃貸物件に引っ越すなどの検討ができます。
人によってはお子さんと同居するということも選択肢に入るでしょう。
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オーバーローンで売却が難しい場合、返済に困ったらリスケジュールを検討してみることもできます。
リスケジュール(リスケ)は、ローンの返済が難しくなった時に債権者と交渉し、支払い期限を延ばしてもらったり、一度の返済額を減らしてもらう、将来の利息を免除してもらうなどの交渉を行うものです。
ケースによってはリスケで対応できることもありますが、定年後という状況を考えるとリスケでは根本解決につながりにくいことと、債権者の合意が取りづらいので成功の可能性は高くありません。
オーバーローン状態で根本的に住宅ローンの問題を解決するならば、任意売却を検討する必要があります。
(関連記事)返済が払えなくなった時の「リスケジュール」とは?任意整理との違いは?
アンダーローンであれば通常の売却ができますが、オーバーローンの状態では債権者によって自宅に抵当権が付けられているので、市場に売りに出すことができません。
任意売却とは、債権者の合意を取って特別に抵当権を外してもらい、通常通りの売却を可能にするものです。
市場価格相当の値段で売れますから、競売のように大きな損をすることもありません。ただし、債権者の合意を得るための手続きが必要となります。
任意売却で得た代金はローンの返済に充当され、なお残った残債については余剰資金を投入して完済するか、分割払いで返済していくことができます。
余裕のあるうちであればこうした対応が可能なので、人生設計が大きく狂うことを避けられます。
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すでに住宅ローンの返済が苦しくなっているケースでは余剰資金の用意ができないこともあるでしょう。
任意売却でできるだけ高く売り、これを原資にしてできるだけ多くのローンを支払ったとしても、完済に至るまでの資金を用意できないこともあるかもしれません。
分割払いでも完済が見込めない場合は、残念ながら自己破産ということも視野に入れて考えることになります。
ただそう悲観する必要はなく、自己破産をしても生活に必要な財産は確保できるので一定額までの現預金と生活に必要な財産は手元に残すことができます。また、年金の受給権は自己破産によって没収されることはないので、これまで通り受給することができます。
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この記事では定年退職後の住宅ローンの返済に困ったときの対処方法について解説しました。
住宅ローンは契約上の設定で定年後も長く続くケースがあり、その場合は返済ができなくなるリスクを背負ってしまうので年金生活者にとっては重荷になります。
余裕のあるうちに繰り上げ返済や売却による完済をするのが安全ですが、それが叶わない時には任意売却という方法があるので覚えておきましょう。
住宅ローン返済相談センターでは住宅ローンが残る自宅の任意売却事案を多く手掛けておりますので、お気軽にご相談頂ければ幸いです。