リースバック後に自宅を買い戻すことはできる?

リースバックは自宅を売却すると同時に賃貸借契約を結び、買い手に対して家賃を支払うことで引き続き住み続けることができるものです。

一時的にまとまった資金が必要なケースの他、任意売却の際にも自宅に住み続けたい希望があるケースで検討されます。

リースバックでは対象不動産の所有権が買い手に移ってしまいますが、将来的に所有権を買い戻すことができるかどうかについて解説していきます。

 

 

リースバック後に自宅を買い戻すことは可能!

リースバックは正確には「セールス&リース・バック」といいます。つまり、セールス(売却)とリースバック(賃貸)がセットの取引のことをいいます。現在は契約条件として買戻しまでを付帯させないことも多く、その場合は冒頭で述べたように家賃を払って住み続ける契約になります。

買戻しの希望がある場合は賃貸借契約の他に再売買に関する契約書を作成し、将来の買戻しについて条件を取り決めることになります。

急激な事情の変化でやむなく自宅を手放さざるを得ないけれど、将来的に収入が回復する見込である場合は、余裕が出た時に自宅の所有権を買戻すことで名実ともに自宅を自分のものとすることができます。

リースバックについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

リースバックとは?成功の秘訣を探る

 

 

リースバックと民法の買戻し特約は違うことに留意

「買戻し」という単語から、民法上の買戻し特約を想像する人もいるかもしれません。
しかし、リースバックにおける買戻し(再売買契約)は民法上の買戻し特約とは異なるので、この点は知っておきましょう。

 

民法上の買戻し特約は、買い手から受け取った代金や必要経費を返還することで、売り主側から当初の契約を解除するものです。

リースバックにおける再売買契約は新たに別の売買取引を生じさせるものであり、民法上の買戻し特約とは異なります。

 

民法上の買戻し特約には有効期限があったり、買戻しの際の金額に制限があるなど細かい違いもあります。

一般的にはリースバックにおいても「買戻し」という表現が使われることがあるので、民法上の買戻し特約とは異なることを一応頭に入れておいてください。

 

 

リースバック後に買戻しをする時の価格は?

リースバックを実施して将来買い戻すことを約す場合、買戻しの際の価格について当事者間で交渉することになります。

 

一般的に、リースバックにおける買戻し価格は市場価格より1割~2割程度高くなるのが普通です。

この点、リースバックで自宅を売る際には通常、市場価格よりも1割~2割程度安く売ることになるので、安く売って高く買うということに不合理を感じるかもしれません。

 

しかし、リースバックは通常の不動産売却のように市場原理が働かず、投資家の儲けを考えなければならないので、取引価格の設定が買い手主導となることは致し方ありません。

 

 

買戻しの際に住宅ローンを組めないことが多い

不動産購入にかかる資金を自力で用意するのが難しい場合、通常であれば住宅ローンの利用を考えることができます。

しかし、リースバックにおける買戻しのケースでは銀行が融資に消極的になる傾向があるため、通常のケースよりも利用が難しくなることが多いです。

また、任意売却に際してリースバックを利用した場合、残念ながら数年間は住宅ローンを利用できません。

任意売却の仕組み上、ローンの返済を滞らせたことが信用情報機関に登録されるため、その情報が消えるまでの数年間は新たな融資ができなくなるのです。

手元資金での買戻しが難しい場合は、生命保険の解約や契約者貸付、親族等からの借り入れなど別の資金調達方法を検討する必要があります。

 

 

リースバック後の買戻しに関する留意点

リースバックに際して買戻しを予定する場合は、いくつか留意すべき点があるので確認していきます。

 

①家賃の支払いに滞納がないようにする

リースバックでは借り主として家賃の支払い義務が生じます。

もし、家賃を滞納すると、契約に従って退去しなければならなくなり、その場合、将来の自宅買戻しもできなくなるので注意が必要です。

 

②賃貸借契約は普通借家契約にする

賃貸借契約は普通借家契約と定期借家契約の二つのタイプがあり、普通借家契約は賃借人が有利、定期借家契約は賃貸人有利と言われています。

普通借家契約にすることで賃借人の意思による契約更新が容易とるため、将来の自宅買戻しの可能性を維持することができます。

 

③買戻しの期間に制限を設けない

買戻しの申し出を行える時期に制限を付けず、資金が貯まった時点で買戻しを実施できるようにしておけば、実行時期を自身でコントロールできるので心理的にも余裕が出ます。

 

 

まとめ

今回ではリースバックにおいて自宅を買い戻すことができるかどうか見てきました。

リースバック時に再売買にかかる契約を結んでおくことで自宅買戻しは可能であり、所有権を再び自分の手に戻すことができます。

賃貸中の家賃の支払い義務をしっかり履行することと、買戻しの条件についてはできるだけ有利になるように契約条項として定めることが望まれます。

 

契約条項の望ましい設定方法については素人の方は分かりづらいと思いますので、個別の事案における状況に鑑みて当センターが提案させて頂きます。

借金返済のためにリースバックを検討するケースでも、任意売却と合わせてリースバックを検討するケースでも、経験豊富な当センターがお手伝いさせて頂きますのでお気軽にご相談頂ければ幸いです。