住宅ローンも含め、長期的な返済プランを要する借り入れをする際には、現在の収入状況などを考慮してふさわしい返済プランが立てられます。
順調に返済が続く間は問題ありませんが、長い返済期間の間には収入状況が変化し、返済が難しくなるということも当然考えられます。
そのような時にまず検討したいのが「リスケジュール」です。
この回ではリスケジュールの活用法や任意整理との違いなどについて解説しますので、参考になさってください。
リスケジュールは、簡単に言うと、ローンの返済計画の見直しのことをいい、「リスケ」と略されます。
当初の返済計画の前提となっていた収入状況などが、離職や転職、病気やケガなどの事情によって変化した時、そのまま放置すると返済が焦げ付く危険が出てきます。
そこで、今現在の状況を考慮した新しい返済プランに練り直すのがリスケジュールです。
例えばリスケジュールでは以下のような事項が検討されます。
月々の返済金額を下げて負担を減らす代わりに、その分返済期間を延ばす検討がなされます。
今の収入が急激に減ってしまい支払いに窮する時は、一定期間元金の支払いを猶予してもらい、利子の支払だけにしてもらいます。
予定されていたボーナスにかかる収入に変化があった時は、ボーナス分の支払い金額を調整します。
実際には複数の検討項目を組み合わせてリスケを行いますが、残念なことにリスケは金融機関が認めてくれなければ実施できません。
一般的には、支払いに窮する事態となる前に、将来的に苦しくなりそうだという時点で相談することで、金融機関はリスケに応じてくれやすくなります。
リスケジュールが返済を薄く延ばし将来に繰り延べるイメージだとしたら、任意整理はそれよりも一歩踏み込んで負債一部免除まで検討するものです。
任意整理では返済期間を延ばしてもらうなどの交渉をしつつ、さらに将来の利息分をカットしてもらうなど、負債の一部を免除してもらうことも検討します。任意整理も金融機関の承諾がなければ実施できませんが、金融機関にとっては損がでることになるので、リスケよりも任意整理の方が実施のハードルが高くなります。
それでも、もしそのまま放置して実際に返済が焦げ付く事態になれば、債務者が自己破産をする可能性もでてきます。そうすると金融機関は債権の回収が難しくなってしまうので、それよりであれば任意整理に応じた方が得だとして交渉に応じてもらえる可能性があります。
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住宅ローンだけでなく、他にも借り入れをしているケースでは複数の債務に対して計画的な返済が求められます。
ちょっとした収入の変化から債務の管理ができなくなり、一気に返済が焦げ付いてしまうケースもあるので注意が必要です。
リスケジュールや任意整理はどちらも金融機関の承諾が必要というハードルがあるものの、両者はどちらも柔軟な交渉が可能というメリットがあります。
債権者ごとにどのように交渉に臨むか戦略を立てたうえで、リスケと任意整理を並行して行うことで効果的な対応が可能になります。
例えば、住宅ローンに関してはリスケを行い、どうにかして返済を続けていけるように交渉します。
他の借金に関しては任意整理の交渉を働きかけて、こちらも返済期間を延ばすほか、利息分のカットなど少しでも負担が減るようにします。
任意整理で負担が浮いた分を住宅ローンの返済に回すことができれば、より安定して返済を続けていけます。
住宅ローンの他に複数の借り入れがある場合は特に、債務状況全体を把握、管理したうえで総合的な対応を模索する必要があります。
債務者本人だけでこの管理が上手くいかないのであれば、住宅ローンや債務整理に詳しい専門家の助力が必要です。
また、リスケジュールや任意整理は実際のところ債務者が単独で申し込んでも相手にされないことが多く、債務整理に詳しい専門家が間に入らないと実施が難しいのが難点です。
当センターは住宅ローン問題や債務整理の支援に力を入れていますので、金融機関との話し合いについても多くの経験と実務ノウハウを有しております。必要に応じて弁護士等の専門家と連携し対応して参りますので、安心してご相談頂ければと思います。
今回は、リスケジュールの活用法や任意整理との違いなどについて見てきました。
リスケジュールは返済計画の見直しで、任意整理はそれより一歩踏み込んで負債の一部免除まで交渉するものです。
どちらも通常は専門家の支援を要することと、早めに検討しないと金融機関の譲歩を引き出せないことがあるので、この点に留意が必要で。
早めに当センターにご相談頂くことでより確実な対応が可能になるので、ローンの支払に心配を感じた際に早めにご相談頂ければと思います。